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分子神経科学研究者、兼、麻酔科医、兼、ランナー、兼、作曲家 の随想録(ひとりごと)です。

随想@有楽町でのコンサート

随想@有楽町でのコンサート
指定席であるにも関わらず、開場前から約1キロの長蛇の列。え、指定なんだし意味なくない?と思い、絶対に行列には並ぶまいと有楽町界隈をぶらつく。以前あった高層ビルが取り壊され、新たなタワーが建設されつつある光景をみて、この丸の内は見果てぬ完成形を求めて人々の欲は今なお高ぶり続けているのか、などとひとりつぶやく。
さて30分も経過したろうか、そろそろ行列は解消されているかな、と思いきや、さきほどよりもむしろ行列の尾は再生されている!なんという恐ろしい人気であろう。というより、開演までに観客は会場内に収まりきるのか?誘導を担う業者に不備があるんじゃないか?などと思いつつ、開演10分前にだいぶ解消した少しの行列に続いて入場。ただ、自分の後ろにも行列は続いていたし、案の定入場の遅れのためであろう、開演は15分ほど遅れた。誘導業者よ、これが災害時の避難であったならば、なんと責任をとるのか。この開場でのコンサートなどこれまで何度も経験しているんだろうから、開場時間を早めるとか受付の窓口を増やすとか、もっと対応策はあるだろうに。「これは災害ではなくて、興業ですからー」とかいいわけしたら、本気でお相手しますぜ。興業とはいえ、あなたがたはプロとして生命を賭して仕事していないのかい?そのくせ、医療の現場で100万分の1の確率で合併症が起きたときにでもかみつくくせに。医療現場の人々は、少なくともそんなメンタリティで仕事していませんぜ。
さて入場してみると、観客、ほぼ99.5%が女性。。男性といえば、年配の奥さんに連れられて参加している方々ばかり。うちの母親も含めて、多くの女性にときめきのきっかけを与えているのだろう。
開演直前のアナウンス、「開演中は非常口の緑のランプも消灯させていただきます」。…大丈夫か?映画館は普通点灯したままだよなあ、万が一災害が発生したとき、緑ランプを再点灯させそびれたりしたらどうなるんだろう?それこそ大問題にならないのか?ワイドショーの格好の対象となるかもしれない。さっきの誘導業者の腕と気概では、きっとスムーズな避難などできそうにない。とはいえ、こういう「万が一…」などという考え方をしている人など、恐らく自分を除いたらほとんどいないだろうけど。。
前置きはいろいろあったが、いよいよコンサートの開演。コンサートというのは本当に素晴らしい、演者の生の息づかいや声、温度のようなものが直に伝わってくる。英語の歌詞が多くてあまり理解できなかったけど、とにかく本人の魅力や心の機微には強く心を打たれるものがあった。レーザー光線が飛び交うたびに、あれは488、あれは594、DAPIの647もあるぞ、Cy3かCy5のマゼンダもみられる、などと理系あるあるの反応をしてしまう。そうそう、488と594のマージはイエロー。
とにかく、彼と同じ36年間を生きた人間として、大いに考えるものがあった。自分も決して怠けてきた人生ではない、置かれた状況のなかで必死にやるべきことは何かを考えながら、やるべきことを積み上げてきたつもりだ。きっと、彼とて同じだろう、しかし、彼の姿からはこれまで経験してきた無数の苦労と努力の跡がとても強く感じられ、私が経験したそれらをはるかに超えたところになるように思えた。私にはもっとできることがあったのかもしれない、どうしたらもっとできていたのだろうか。不覚にも(?)1日足らずのうちにかなりのファンになってしまった。同世代であることに誇りを感じながら、これからも応援していきたいし、自分の励みとしたい。そういえば、彼は私が愛する福島県の出身。いつか、会津の風雅堂にもライブに来てもらいたい。