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分子神経科学研究者、兼、麻酔科医、兼、ランナー、兼、作曲家 の随想録(ひとりごと)です。

本当に大切なもの

 先日のある出来事を通して教えられたことです。
ある出来事が、一般的にいうと非常に不幸で怒りに駆られてしまうような
ものであったとしても、こちらの心の持ちようによって(修身の程度という
のでしょうか)は人生における大きな糧となる、ということも改めて
学ぶに至りました。

 何かを失う、ということは、どんなものであれ、辛いものです。
それが自分にとって大切なものであればあるほど、その喪失感は大きい。

 その大切なものというのは一体何であるか。

 高価なもの、身の回りに常に身につけてきたもの、生活上便利なもの。
いろいろあるかもしれません。
 しかし、現代において大抵のものは、金銭的価値さえ支払えば、一度なくした
としても再び手に入れることができるはずです。

 しかし、本当に大切なものは、お金で手に入れることができるほど、
簡単なものなのでしょうか。

 一度手放したら二度と戻ってこないものがあります。健康、何かをする
ためのからだの機能、友人、家族、恋人、自分自身の信念や自身なんてものも
そうかもしれません。

 しかし、そういったものの本当の価値、ありがたみは、それを享受できる
間はなかなか理解することができないものです。失ったときにはじめて
その価値の大きさに気づく。人間の歴史はその連続によって紡がれてきた
のだと思います。

 今回、私は、お金で手に入れることができるものを失いました。
でも、その代わり、私は自分の人生の中で本当に大切なもの、それを失ってしまった
ならば自分が自分として生きていく意味に大きな傷が入るような、大きなものに
気づくに至りました。

 大切なものに、心から感謝して、それを相手やそのものにそのまま伝える。
心だけでなくて、ことばや行動で表現するということも大切なものの一つなのかも
しれません。