熱く楽しく挑戦する!

分子神経科学研究者、兼、麻酔科医、兼、ランナー、兼、作曲家 の随想録(ひとりごと)です。

技術家万歳


 バイクのメンテナンスを頼みに、近くのオートウェーブへ行きました。
若いエンジニアの方が、とてもにこやかに応対してくれました。しかもいわゆる
営業スマイルのような、どこかに悲しみと嘘っぽさを湛えるようなものではなく、
同じバイクを愛する人種としての親近感や連帯感のようなものを感じさせて、
やはり現場で働く方々はなんて気持ちのいい連中なんだ、そう感心に浸りました。

 バイクを走らせた直後にエンジンオイルの交換をする、というのは一見
簡単そうですが、高熱のマフラー、エンジンルーム、そして80℃近くに
熱された漆黒のオイル、どれもが非常に危険です。さらにいえば、熱されたオイル
からは相当の石油曝露がエンジニアを襲うように感じられます。しかし、皆さん
嫌な顔ひとつせず、ただやるべきことをひとつひとつこなしていました。

 まじで、リスペクトです!!!

 実際に、あの現場で一日中働いていたら、オイルの曝露量はどれほどになるのか。
伺ったところ、特段のマスクなどの対策をしていなくて、作業管理、作業環境管理、
健康管理を担う産業医を視野のひとつに入れている私にとっては、どうやったら
エンジニアの負担なく、快適で安全な作業環境を提供することができるか、という
ことを考えざるを得ません。作業に支障のないマスク、ものすごく吸引・送風機能の
強い空調、または古びたオイルと新鮮なオイルをそれぞれ半閉鎖的に扱う、などで
しょうか。これは、今後も続く大きな問題となるでしょう。

 現場で危険と共に働くエンジニアの方々の高い技術と勤勉な姿勢こそが、あらゆる
産業の土台となっていることを意識することは極めて重要だと思います。安全は
病院の中のみで実践されればよいというものではありません。安全な文化と
技術を街の中に浸透させるため、まだまだできることはたくさんあるはずです。